木曜日, 8月 14, 2008

特許調査のお仕事:サポートの成果

暑いッス。 漸くお盆休みとなりました。

さて癌の後の日々ということで、『仕事』も、実はこのブログのテーマの一つなんです。

口腔癌で治療して、3年仕事を休んだのですが、復帰して今1年目です。以前はエンジニアで開発をしていました。復帰後仕事を変えて頂くようお願いし、半年ほどで特許調査の仕事に落ち着きました。

残業いっぱい出張もアリという仕事から、短時間勤務でそれなりにやれる仕事に変わりました。特許を書く立場から、書く方々をサポートする仕事に変わりました。

で、先日初めて、自分が国内出願時に調査した案件が、海外出願のための調査でまた回ってきたんです。

うちでは、特許を出すとまず国内出願をし、暫くして海外出願(外願)します。米国、中国、台湾、韓国、分野によってヨーロッパ(あまり知りませんが)。国内出願前の特許調査は国内特許主体ですが、外願前は米国特許主体で調べます。

今までやった外願前の米国特許調査は、調査の師匠(上司みたいな人)を始め先輩方が、既に国内で一度調べているものだったんです。その調査結果が残っていて、それを参考にして米国を調べるのです。

で、その先輩方の調査報告書を見て、私は、「よ~し、これ以上の公知例を必ず見つけてやるっ。」と意気込んで調べてたんです。国内出願時からは時間がたっているので、それ以後に出願されたものもあるので、まずは国内を調べ、次に米国を調べます。そうすると、結構、国内でも調べ落としが見つかるのです。古いもので重要な特許が見落とされていることがあるのです。

でもね、自分が国内出願時に調べた案件が外国出願でまた回ってきた時、怖くなりました。「え。。。調べ落としが見つかったら、どうしよう。」

実は、自分がエンジニアで特許出願していた時、審査段階になってから、特許庁から公知例を示されて拒絶査定をくらって、「こんな公知例があるんなら、先に教えてほしかった」と思った事が何度もあるのです。知っていれば、予め逃げられるように書くのに。その後、延々と修正・再審査をやるのですが。悔しさを覚えているから、調べ落としは極力避けたい。

民間で完璧に調べることはできないから、ある程度しょうがない。特許庁と同じレベルの調査は、なかなか実現できません。って、調査の講習会の先生も仰ってました。そりゃぁそうです。何らかの頻度で、調べ落としはあるのです。

さて、怖くても、仕事。とにかく、米国出願ができるように、調べなければなりません。

その案件の国内出願の明細書を読んで、今度は嬉しくなりました。国内出願前(社内提案時)の原稿が、私の調査結果を加味して、変更されています。私が上げた公知例も従来技術としてそのまま取り入れて、この内容でならこの程度に逃げられる、と示唆した内容を盛り込んで、修正されていました。

嬉しいと同時に、責任重大です。こんなに信じてもらえて、エンジニアと権利化担当が、私の調査結果を取り入れて仕事してくれるなんて、調査マン冥利に尽きます。

これをもう一度調査して、米国で審査に通るように磨き上げるわけです。前回国内で調べた時よりも特許の内容が、限定が加わって細かくなっています。

何だか、いつもより時間がかかってしまったけれど、何とかお盆休み前に外願前調査の報告書を上げました。

米国特許庁がどんな公知例をぶつけて来ても芯の部分と、なるべく多くの部分が生き残るように、と予想しながら、見つけた中から選んで載せました。うまく生かされるとよいのですが。おお抜けがありませんように。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

減塩~運動~胡麻麦茶ッ♪という健康に良いですよなお茶のCMソングみたいにいえば、
ここって、
「病気~、仕事~そして嵐♪」となるのかな。

どれが欠けてもつまんない。全部そろってゴルぴょんだな。

しかし…、魔王と特許の仕事、同じくらいの濃さで書くんだなぁ。笑うよー

オルゴールぴょん さんのコメント...

うっ。あ、ありがとう。ゴメン、そう言われて私も笑いが止まらない。

そういう奈津子さんのところも竹澤くん専門サイトか?と思う時と、お、さくらんぼとか、癌関連とかのサイトなのね、と思う時とあるよ。花の写真や奈津子さんのセンスが見える手仕事関連とかも欠かせません。

特許に負けず劣らず魔王様は難解ですよ。会社じゃ誰も分かってくれないので、ここで読んで下さる方がいて下さって救われてます。今後ともよろしく。

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