木曜日, 11月 22, 2007

メモリーは何のため(その2)(病み上がり女性エンジニア日記)

何のために開発をしているのか。

昔、パソコンの画面でイルカが飛んだりすると腹が立った、と書きました。(書かなかったっけ。曖昧ですが。(5月11日の記事でした。))

メモリーもCPUも、ディスクも、社会貢献のためでもなく科学の進歩のためでもなく、ゲームや動画や、すうっとフワッと動くウィンドウやアイコンのためにあるのです。計算のためにメモリー増設しているのに、無駄に半透明に重なって見える文字やアイコンを見ると苛立たしくなったものです。

この開発をするために、どれだけタイヘンな思いをして皆頑張っているか。残業続き、それでも目標に達せず、実際うつ病になっているエンジニアも何人もいるのです。

でもね。それは変なんです。その開発は何のためかというと、実は、イルカを飛ばしたり、アイコンを半透明にしたりするため、そういう遊びをするためなのです。どうにも、釣り合っていない。

開発競争はグローバル。もう、台湾や、韓国や、中国が、迫り、追い越して行こうとしています。彼らの技術が上がれば、製造コストでは勝てない。

でも、そもそもイルカやきれいなアイコンのために開発しているということに気がつけば、もう、そんな開発自体、やっている場合ではない。そこに気がついたアメリカは、とっくにハードではなく、ソフト業界へとシフトしてしまいました。米国の会社でも大学でも、プロセス開発をしているのはアジア人ばかりです。
わずかに、ノーベル賞を出すような超一流会社には白人のハードエンジニアがまだ居ますが。

要するに、構造的に、メーカーの仕事は今、大変な割りに報われない状態にあるんではないかしら。競争相手の給料が十分の一なら、同じ利益を出すには10倍の仕事をしなければならないのです。

これは、渦中に居るよりは、傍観する立場に行かなければ、楽しめない。

やっぱり、ガンがきっかけで抜けられて(多分抜けられるでしょう)、良かったかも。

尤も、グローバル競争にさらされているのはどの業界も同じ。非正規社員もタイヘンだけど、正社員もタイヘンで、誰も楽はできない、のかな。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

それはパソコンに対する位置付けがだいぶ変わってきた為ではないでしょうか?
個人向けというのは所詮お金儲けのための消耗品でしかないと思います。そうすると本当の能力とはいえ、見えないメモリの部分よりも表面的に目を惹く部分に能力が奪われてしまうモノのようで…。
私も昔開発したシステムのパソコンで、真っ暗な画面で時計がぐるぐる回ってるのを見たときはキレそうになったものでしたが…。
せめて会社では!!エンジニアさんの努力をなんとか認めて欲しいモノですよね。

オルゴールぴょん さんのコメント...

皆さんに買っていただいてこそ、我々の仕事が成り立つのだし、買っていただいてこそ、技術が社会に波及効果を及ぼせるのだから、受け入れてもらえるような製品を作っていかなければならないのは当然なんですよね。

だけどさぁ。携帯電話がゼロ円、とか、耐え難かったりするの。その方が皆さんに使って頂けるのだけど。

でね、開発競争はグローバルだからね。バングラデシュからアメリカに来た大学院生とかが、とてもいい人だったりするんだよ。韓国人も、インド人も、中国人も、いっぱいやっている。何人でもできるというのが自然科学だから。

この流れは止まりませんね。

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