土曜日, 10月 24, 2009

僕が僕の全て(嵐)/ハリーポッター/切除手術の意味

嵐の『僕が僕の全て』を聞きながら思うこと。癌で切除手術した者限定の感想です。(ハリーポッター最終巻の内容に触れています。)

「今ここにいる 僕が僕のすべて それだけは変わらない」

今ここにいる私には、無くなっている部分があります。切除手術をして右の上顎は無くなりました。上顎が無くなった私が今の私のすべて。

私の上顎は、何でなくなったんだろう。

何でなのよ、と、納得できなくても、何ともできず、切除手術の日からこの私が私だと受け入れて来るしかなかったわけです。

受け入れて生きよう、という以上の事は考えられなかったのだけれど、最近「ハリーポッター」の最終巻を読んで、すごく、いいことが解ったのです。

ハリーポッターは、最終巻で、一旦死ぬのですが、死んで、ダンブルドアに会います。その時に、ハリーとダンブルドアが居たところに、小さな赤ん坊がいて、泣いていたのです。

ダンブルドアは、あの者はどうすることもできない、置いて行きなさい、とハリーに言います。

戻ることができるのですか、とハリーは聞いて、戻って、生き返ります。

あの赤ん坊は、ウォルデモートですね。ウォルデモートは分霊箱に自分の命を分けて入れる事によって永遠の命(という用語を本で使っていたかどうか記憶が曖昧ですが)を得ようとしました。ハリー達はウォルデモートの分霊箱を探し出して破壊する事によってウォルデモートを倒そうとしていました。

ハリーは赤ん坊の時にウォルデモートの魔力を跳ね返して生き延びました。その時に、ウォルデモートが知らない間に、ハリー自身がウォルデモートの分霊箱になっていたのです。ウォルデモートの一部分がハリーの一部分になっていたのです。

ハリーは死んでダンブルドアのそばに赤ん坊を置いて来た時、自分中の困った一部分であったウォルデモートを死の世界に置いてくることができたのです。

私も、上顎という一部分は、死の世界に置いてきました。多分、私の中の困った一部分を、主治医のメスが持って行ってくれたんです。

私の中には困った部分があるのですが、ダンブルドアが、「あの者はどうすることもできないのじゃよ」と言っていました。どうにかしようとせず、ハリーがそうしたように、置いてくればよいのです。

「ありのままで もう一回歩き出そう 悲しみ越えて
誰のでもない 名もなき道を
明日もそう 夢に 向かって 悩んで 笑って 笑って
今ここにいる 僕が僕のすべて それだけは変わらない」

歌詞のどの部分も切り出せないくらい、同じように響いてきます。

別に切除手術などしなくても、誰でも、様々なものを切り捨てて生きていますから、その意味では皆、同じなんでしょうね。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

今夜の粗しの番組にお気に入りの黒谷友香さんが出演と云う情報を知りました。頑張って起きていなければ。仕事を辞めてから約半年が経ちます。労働組合のあるような大会社以外は2ヵ月以上入院が必要で、会社復帰も退院してから療養してみないと答えられない人間に対してなどあっさり解雇を持ちだします。当然し言えば当然のような気がします。
製造単価を1銭単位で引き下げることを考え中国企業との熾烈なシェア争いをしている中で、一度も出社することもなく、業績に何も貢献のない人間に厚生年金と社保の会社負担分を半年間に100万近く負担するなんてことは上場企業ぐらいしかしたくないだろうと思う。そこも組合とかがあって不当解雇と騒がれたくないので仕方なくやっているだけの事に過ぎない。過去には雇用を維持してくれた
会社もあったけど、その会社も元同僚の話では倒産寸前でボーナスもここ数年出ていない
とのことです。癌で死ぬか飢え死にするかどちらが良いのだろうと思ったりもします。

オルゴールぴょん さんのコメント...

なおとさん、こんばんは。
日本の中で格差社会だと言っても、アジアの別の国の基準で見れば高年収、そこでものを作る企業と同じ土俵で競争している、というのが現実です。経済的な大変さは病気の人に限らないですね。多くの女性達も大変な境遇にありますし、高学歴でも健康でも、就職はうまくいかない人もたくさんいます。マクロな現実と、個々人がどんな運をつかむかは別問題、というのは、抗がん剤がある人には効いて別の人には効かないというのと、似ているかもしれません。いずれにせよ、「今ここにいる僕が僕のすべて、僕は僕の人生を運命を、抱きしめて行こう」っていう、嵐の歌の歌詞は、いいと思うのですけど。

奈津子 さんのコメント...

その歌詞、すごくいいかも…

近日中に聞いてみようっと。

あるがまま受け入れて、でも、受身じゃなく、
力強く進んでいこう的な感じ?

今日、CTの結果が「著変無し」でした。
不安も無くはないけど、今こうして生きている、そのことがとても素晴しく感じられて、
晴れた秋の日の美しさがますますその思いを強くしてくれてます。

嵐の歌詞はなんとなく共鳴してると思う。
ねっ、そう思わない?

オルゴールぴょん さんのコメント...

奈津子さん、こんばんは。

著変なし、おめでとう! 奈津子さん、すごいです。奈津子さんの生きていく構え、っていうか、姿勢に、いつも学んでます。ついて行くよ~~。

この曲は、けっこう、聴いているとズシズシときます。中でも、私にとってだけかもしれないけど、大野くんの声が、あまりに自分が確立してゆるぎない人の声に聞こえてね。跳ね返されそうな気がしてね。情けない自分を自覚しながら、そうだ、今の私でとにかく行かなきゃいけないんだ、と思い出させられてしまうの。

そうですね、力強く進んで行こう、っていう感じですね。「悩んで、笑って、笑って」って、悩んでが1回で笑ってが2回だから。いい歌だから、是非聴いてみて。

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