日曜日, 3月 09, 2008

ピアノが生き返りました(調律の腕前)

今日は、先日消音機をつけてくれたピアノ屋さんに、ピアノの調律をしてもらいました。ものすごくいい音になったんですよ。いえ、今までがひどかったんです。

うちのピアノは10年ほど前に頂いたものですが、40年ほども前の製造のものです。前に使っていた方は全く調律をしておられませんでした。全く弾いてもおられなかったらしいです。

もらった時には相当に音が狂っていたわけです。しかし、頂いた後にお願いした調律師さんは、神業的なすごい方でした。古いピアノでもちゃんと手入れすれば大丈夫、と言って、キーのフェルトの一個一個をほぐしたり、普通はやらないような手入れをして下さいました。一個一個の音の調節は、ポーン、とキーを叩いて、キュっ、とねじをひねって、あっというまにパシッと合わせてしまう、という、本当に神業のような耳と技を持っておられました。『伝説の調律師』と、自分で自分を呼んでいましたよ。

でも、その神業調律師さんに2回ほど来て頂いたあと、若い調律師さんに代わったのです。その人が、下手だったんです。

いつも、調律をしたその日の段階で、既に音が狂っていました。

だけど、調律のやり直しをお願いするということまでは、しなかったんです。当時は仕事と家の事がものすごく忙しかったし、同じその若い調律師さんにやり直してもらっても、同じ結果だろうと思えたのです。耳がない人がやってもきっと同じ。古いピアノだし、調律していなかった期間が長かったので、合わせても狂いやすい期間があります。神業おじさん調律師にやって頂いた後だけれど、まだ不安定な期間なのかも、とか、毎年やっていればだんだん良くなってくるかも、とか、何となく考えて、そのままその下手な調律師さんに毎年お願いしていたのです。 

でも、本当は、あの神業調律師さんの神業に気後れしてしまって、「若い方の人ではいやです、おじさんお願いします」と、言えなかったんです。あんなすごい調律師さんにやってもらうにしては、うちのは大して上手な人間が弾いていないのです。

今、改めて気になってネット検索してみたのですが、神業調律師さんの息子さんはピアニスト、と、お話には聞いていたのですが、本物の、有名どころのピアニストみたいです。う~ん、ほんの2回でも、そのお父さんに調律して頂いたというのは、すごい事だったのかもしれません。

で、その後はひどい音になっていたのですが、今回、また別のおじさん調律師さんに調律して頂いて、嘘のように美しい音によみがえりました。

子供の頃、ピアノはキーを叩いたその音だけで美しい、と思ったものですが、あの頃うちのピアノを調律してくれていた調律師さんも、上手な人だったんだなぁ、と改めて、初めて知りました。あの時と同じ音になったんです。子供達にも、もっと早くこの音で練習させてあげれば良かった。

今日の調律師さんによると、ピアノは、沢山の弦ですごい力で引っ張っている機械なので、弦の張り具合で本体も曲げられて釣り合っているそうです。一本一本の張り具合がバラバラになって調律されていると、本体全体のバランスが狂ってちゃんと調律し直すのが大変だそうです。また、調律は単に弦の張りの強さで音の高さを合わせるだけでなく、他の構造についても手入れをしなければならないのだけれど、うちのピアノはそれがされていない、とのこと。調律師さんの考えで、それをやる人、やらない(やれない)人、がいるとのこと。

今日の調律師さんもピアノ技術者という感じですが、最初の神業調律師さんも、ヤマハで何十年もピアノを作って来られた後に調律師になった、と、技術を誇りに思っておられる様子でした。

3人のどの方も、調律のお値段は一緒です。今回、よい調律師さんのつてができて良かったです。来年もお願いしようと思います。

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