土曜日, 1月 16, 2010

カオスは宇宙の真理

サイモントン先生の講義で、「カオスは宇宙の真理だ」というお話があったんです。色々な話の中で、その一文でだけカオスという言葉が出てきて、全然、意味が解りませんでした。前後とのつながりは汲み取れませんでした。

講義の後で、あれはどういう意味ですか、って質問してみましたが、同じように繰返されるだけで、説明のしようがないよ、っていう感じの表情でした。

是非もっと詳しく教えて頂きたいと思っていたのに、亡くなってしまいました。

カオスには色々ありますが、非線形の方程式で表わされる運動で、決定論的であるのに、実質的に予測不能な振る舞いをするものがあります。ほんの少し出発点(初期値)が違うと軌跡はすぐに無限に遠く離れてしまい、一見ランダムで、でも、方程式で決まっていて、全体的に見ると何らかの大きな構造を持っています。

わけ解りませんかね。

線形のものというのは、数学的に理想化した世界なので、世の中に存在しているものはまず殆どが非線形です。でも世の中はぐちゃぐちゃにはならずに、それなりの構造を持って運動しています。そういうことを「宇宙の真理」と仰ったのか、とか、思いましたが、よく分からなかったんです。

それが、先日、分かったような気がしたんです。   すみません、独り言みたいな記事で。

うまく書けないし不正確なんですが、書いておかないと忘れるような気がするので。

カオスの特徴に、一部分を拡大すると、その中にまた同じ構造が入っている、というのがあるんです。

よくある例は、線分を3等分して、真ん中の3分の1の部分に正三角形の突起を出します。長さは4/3倍になります。

できた折れ線の各編をまた3等分して、各編の真ん中に正三角形の突起をだします。長さは最初に比べて4/3の二乗倍になります。

この処理を無限に繰返すと、大きな突起の上にどんどん細かい突起がくりかえしてくっついた形になり、長さは最初の線分に4/3を無限回かけ算したものになります。つまり、最初の線分は有限の長さなのに、その中に入っているこの図形は無限大の長さになるんです。

この繰り返し構造のことを、宇宙の真理と仰ったのかなぁ、という気がしました。

人間は社会を作って相互に影響しながらまとまって暮らしていますが、人間も色々な臓器や組織でできていて、その臓器や組織たちも相互に影響しながらまとまって人間を作っています。その臓器や組織たちも色々な細胞でできていて、その細胞たちも核やらミトコンドリアやらの、色々な部品からできています。

人間の社会も、色々な国が相互に影響しながら、地球上の人間社会という大きなまとまりを作っています。地球は重力で他の星と相互に影響しながら太陽系というまとまりを作り、太陽系も銀河という大きなまとまりの中の一員です。

臓器とか、細胞とかも、小さくなった人間のようなものだし、社会とか国とかも、大きくなった人間のようなものではないでしょうか。

国と国でケンカ(戦争)してみたり、協力してみたり、細胞同士も普段は助け合っていても、時にはアレルギー反応を起こしてみたり、癌になって他の細胞のじゃまをしてみたり。人間とそっくりですよね。

地球よりも大きな単位のものが何を考えているのか、いないのかは分かりませんが。太陽系は何を考えているのかな。

社会がマイナス志向になってデフレスパイラルに陥ると、どんどん景気は悪くなっていきます。人間も、マイナス志向になると、体調を悪くしがちです。

だから、プラス志向にした方がよいのですが、これは、大丈夫なんですよ。

人間は本来、プラス志向になるように、健康になるように、できているのです。

というのは、宇宙は膨張しているからです。

宇宙はインフレーションなんです。

宇宙は膨張している、と、色んな本に書いてあります。太陽系が宇宙で他の星々と相互作用する中で、全体としてのエントロピーは増大しても、部分的なエントロピーは増大しないで、秩序状態を作ることができます。エントロピーというのは乱雑さを表わす量です。宇宙と地上の話を並べるには飛躍があるのですが。私もよく分かってないし。

ま~、ざっと言って、昔は火の玉で中に何も構造は無くてどの部分もエントロピーが高かった宇宙も、膨張することによって内部にエントロピーの低い秩序のある構造を持つことができるようになったんです。

そういう宇宙が生んでくれたのが人間なんです。

サイモントン先生がそういうことを仰りたかったのかどうかは、分かりません。でも、しっくり行く気がします。

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