水曜日, 7月 18, 2007

サイモントン癌療法の10の原理:その5

サイモントン癌療法の10の原理
"The Ten Tenets of The Simonton Cancer Program"


5. All of us function as physical, mental, social and spiritual/philosophical beings. These aspects need to be addressed in the broad context of healing, with a focus on the particular needs of a person who is ill, and that person's family, community, and culture.

5.我々は皆、肉体的な、心理的な、社会的な、精神的/哲学的な、存在として活動している。病気である人、その人の家族、地域、文化の個別の必要性に注目した上で、これらの側面に本腰を入れて取り組み、その広い文脈における治癒を目指さなければならない。




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サイモントン癌療法10の原理の訳の続きです。

10の原理 その1その2その3その4は、


1.我々の感情は、健康と病気(癌を含む)からの回復に大きな影響を与える。感情は免疫系やその他の治癒の仕組みの強い原動力である。

2. 我々の考えや態度は、我々の感情に影響を与え、それによって我々の健康と治癒の仕組みに影響を与えている。

3.我々は自分の考え方や態度に大きく影響を与えることができる。それによって我々は、自分の健康に大きく影響を与えるように、自分の感情を形成することができる。

4.考え方、態度、感情へ影響を与えるやり方は、このプログラムで与えられる様々な用いやすい方法によって、すぐに教わることができ学ぶことができる。



でした。

考え方や態度が治癒に良い影響を与える方法はサイモントン療法で簡単に学べる、と述べた上で、その5では、実際に考え方や態度を変えるということはどれほど大きな意味を持つかを指摘します。また、治癒へと向かうための背景として精神的/哲学的側面にまで言及するのは、サイモントン療法の特徴の一つであると私は思います。

ここでの精神性や哲学は、特定の宗教や哲学のことを言うのではありません。人それぞれの、何らかの精神的/哲学的側面のことを言います。

考え方や態度は、患者個人の肉体、心理的側面のみならず、患者をとりまく社会的条件や、精神的/哲学的側面によって強く拘束されています。家族との関わり方はどうなのか、仕事の条件はどうなのか。そもそもそういう関わり方や仕事を選んでいる精神的/哲学的側面はどういうものであったのか。

生活の何に喜びを見出せるのかは人それぞれに違います。例えば玄米が良い、という考えは多くの人を救っているようですが、我が家のようにそれができない家庭もあります。でも、玄米が良いという考えは単に栄養に留まるのみでなく、玄米は生きていて、命の源である、それを戴く、という精神的/哲学的な背景をも持つのです。そして、家族の食事をそのようなものに変えるということは、患者のみならず、家族の他のメンバーの命についての考え方も変容させ、時には親戚の考え方も変えていくかもしれません。そのような広い文脈で患者の気持ちを支えていけば、これで病気が良くなる、という患者の感情は確信となって、治癒を実現しやすいでしょう。

但し、それはそれぞれの患者の家族、社会、文化の個別の必要性に注目した上で目指さなければならない、と指摘しています。だから、玄米に限ることはないのです。

玄米が良いとしても、それが家族の不和を招いたり、過剰なこだわりが社会的に過剰な摩擦を招いたりする場合は、感情への影響は逆効果となるでしょう。

場合によっては、家族と同じ食事でなく、患者だけが自分の体に良いと思う別の食事を摂ることも良いことです。そこでは、家族との関係の再構築が必要になるかもしれません。

食べ物はほんの一例で、色々、色々、沢山、考える必要があるでしょう。考えを検討して、健康に良い考え方に変えることは、時として家族、社会、文化へも波及効果を及ぼします。それぞれの必要性に注目して、本腰を入れて取り組み、広い文脈において改善すれば、治癒への歩みを維持する事ができるのです。




       

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

今読んでる山田詠美『無銭優雅』にゴルぴょんさんに重なる文章が出てきましたよ。
「何の義務もない勉強というものについて考える。すると、視界が開けてくるような気がした。・・・(中略)学校から遠く離れてしまった者は、自らの手で開校しなくては、そこに入れない。とりわけ世の中で言うところの勉学とは無縁のものを学びたい場合には。」(P23)
ね、どう?なんかいいと思わない?

オルゴールぴょん さんのコメント...

山田詠美さんて、大昔に読んだ恋愛小説のイメージしかなくて、『無銭優雅』てのも読んだことがないのだけど、四十台の恋愛? ふうむ、学校の話より、そちらにそそられます。
恋愛学校かいな。山田さんならありうるかも。

よくつながりは分かんないけど、読んでくれててありがとね。

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