金曜日, 4月 02, 2010

癌になったら

癌は日本人の半分の人がなる、という話ですが、本当にそんなに多いんですかね。なっても公表していない人も多いのかな。

半分の人が、と言っても若いうちにはあまりいなくて、年をとってから、体に不調が出る人が多くなった時に、半分くらいは癌、ということでしょうね。70歳とか、80歳とか、それ以上とか。

私は40代で癌になったので、早い方でした。癌研病院で6人部屋で多分一番か二番目くらいの若い方。
IV期で放射線や抗がん剤でヘロヘロだったので、いちばん若死にしそうに見えたのか、皆さん親切に励まして下さいました。もう、術後5年過ぎて、告知からはもうすぐ6年。

癌になったら、それぞれの症状に合わせて最善の治療をすることがもちろん大事ですが、実は、同じくらいに大事なのは、癌になるまでの生活と同じ生活をしないことだと思います。癌は生活習慣病なんだから。

とりあえずは、すぐ死なないために治療はした方がいいですよね。私もセカンドオピニオンして、「取りきれますよ」と言って下さったお医者さんに手術して取ってもらいました。その前に放射線と抗がん剤もしました。最近は、抗がん剤+放射線だけで済む方も多いようです。

治療してひとまず癌がなくなったら、元の暮らしに戻る、という方もありますが、癌は生活習慣病なんですよ。同じ生活をしたら同じ癌がまた出てきても不思議ではありません。

逆に、癌が残っていたり、どこかにちらばっていたりしても、生活習慣を変えれば消えることもあるようです。むしろ癌の原因になった生活習慣を変えたら、消えるでしょう。原因がなくなるんだから。

癌になったら、治療はもちろんですが、休みましょう。自分に優しくしましょう。

私の癌が見つかったのは、6年前の5月連休の後なんですが、その前の3月の期末が、めちゃくちゃ忙しかったんです。

その期に頑張って国際学会に投稿して不採用になりました。投稿にあたって色々当時の上司と考えの食い違いがありました。その期の特許提案のノルマがあって、自分の提案ノルマだけでなくグループのノルマも埋め合わせするために、かなり疲れているとは思いつつ、ここまでは頑張れるだろうと思って特許を書きました。

期があけて、4月、ホッとして休んでも頭痛が取れずに、奥歯が痛いな~、と思いつつ、疲れて歯医者さんに行かずに過ごしました。親不知だと思って、疲れているのに抜かれるとイヤだと思ったんです。

ゴールデンウィークをぼ~っと休んで、マッサージに行ったりしても、まだ頭痛が取れなかったんです。奥歯はまだぼ~っと痛くて、鏡で口の中を見てみたら白く何かできてました。ヤバイかな、と思いましたね。

やっと、近所の歯医者さんに行ったら、大急ぎで歯科大学の先生を紹介され、大学病院を紹介され、癌の告知となりました。以前書いた多少のメモがあるので必要な方はご覧下さい。

私にとっては、あれは働きすぎだったんです。子供の面倒もみてたし。歯医者さんに行ったのも息子の歯医者さんのついででした。残業や出張をすると夫が子供の面倒をみてくれて、協力してくれましたが、バランスが悪かったのだと思います。

癌の治療の後、癌は生活習慣病だから、以前の生活に戻ってはいけない、と思って、全然違う生活にしよう、と思いました。3年休職して仕事復帰した時、全然違う仕事に変えて下さい、と職場にお願いしました。

全然違う職種には、今さら採用してもらえないようで、結構似たところのある特許調査の仕事になりました。

結局、仕事の種類よりは、仕事のやり方を変えなければならないんでしょうね。以前の職場でも他の人は癌にはなっていないんだから。女の人は私が最後で1人も居なくなった、という部署ではありましたが。

ハードな職場でも楽しく!みたいな、無駄な精力を使いすぎないで!みたいな、ことができたら、癌にはならなかったかも。

グループの特許ノルマまで背負わなくても良かったんです。どうせ上司の責任なのに。特許書くのは好きだからいいんですが、あの時は量が多すぎました。私のキャパに比べて。

もっとものすごくいっぱい特許を書いている人もいて、それと比べれば当たり前で、もっと書いてもいいくらい、と言われるような職場でしたが、そういう人は家事なんかやっていない男性エンジニアなんです。PTAなんてやったことのない、授業参観なんて一度も行った事がない人たちです。

よく夕食を作る、という、すごくいっぱい特許を書いている男性エンジニアはいました。すごいよね。

健康であるなら良いけれど、癌になったからには、バランスがおかしかったんです。癌の治療が終わったからといって元の生活に戻ってはいけません。

つい、頑張りそうになってしまう事もあるのですが、しっかり産業医の先生から、短時間勤務にすべし、という指示を戴いています。ありがたい。

昔と同じように働いていないから、5年無事に過ごせたのだと思います。好きな事に時間を使うことも大切です。嵐のファン活動もエネルギーの源泉になっています。

そうそう、喜びを生活の中になるべく多く取り入れること。それが、大事なんです。仕事は好きだったんだけど、好きでもやり過ぎになる前に、やり過ぎは嫌だ!と自分で言えるようにしなければいけなかった。

職場では『評価』というものがあって、専業主婦つき男性エンジニアの基準での評価で迫られるんですけど、ね。何か、そこをうまくかわすことが、できるといいのよね。まぁ、私はできなかった人ですが。

私にはできなかったけれど、できる人もいると思います。でも、目指している人も、健康に注意してがんばりましょ~。

そして、癌とか、癌でなくても、病気になったら、仕事や生活の仕方を変えましょう。




  

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