木曜日, 7月 30, 2009

日本の知的財産戦略

という研修に行きました。

『知的財産』というのは、特許とか、商標とか、著作権のこと。

日本はもの作りだけでなく、知的財産を保護し、活用して、価値を創造することによって、国際競争力を発揮して勝ち残って行こうとしています。

うちの会社は製造業なので、製造業関連のイノベーションにかかわる知的財産の話題を私は勉強するようにと想定されています。

でも。私が興味があるのは、知的財産戦略のもう一つの側面の、ソフト産業関連の話題です。著作権が大きな柱になります。

テレビドラマをテレビでなく、ネットで見た~い!

今それができないのには、ものすごく込み入った事情があるらしい。会社で話題になっても誰も解説してくれません。

それだけでなく、こういう研修に行っても解説がないんだよね。先日の知財協の研修というのでも、触れられなかったし。

今回の研修は、4月に発表された「第3期知的財産戦略の基本方針」と、6月に発表された「2009年度知的財産推進計画」についての解説で、その中にはソフト産業の事も立派に章立てされて書かれているのに、解説はしてくれない。避けてるみたいに。

しかし、推進計画に書かれているからには、法改正は実施されるはず。

知的財産戦略というのは、小泉政権の時に始まったそうで、「知的財産基本法」という法律に基づいて知的財産戦略本部が中心となり遂行されています。縦割り行政で利害が対立しても、戦略本部が調停して、法律が成立できるようにしてるんだって。

これまで毎年、知的財産推進計画が策定され、それに基づいて毎年毎年、着々と法改正が実施されました。

但し、それは従来の、もの作りの考え方での知財に関するものだったという印象です。発明とは何かとか、権利化のコストを下げるとか、特許の審査を早くするとか、模倣品対策とか。

もの作りでない、情報作りの部分については、まだこれからです。現行の著作権法では日本は滅びる、って、誰かが言ってましたね。

解説はしてくれなかったけれど、ネット上でも知的財産推進計画の資料は見ることができます。検索すれば出てきます。テレビ番組に関係ありそうなところで独断的に拾うと。

「第3期知的財産戦略の基本方針」・「知的財産推進計画2009」対照表
(著作権関係部分
)より引用

272~275 契約ルール等の確立により、デ
ジタルコンテンツの流通を促進する(※)
ⅰ)放送コンテンツの二次利用に係る権利
処理の円滑化を図るため、「映像コンテ
ンツ大国を実現するための検討委員会」
における民間の自主的な合意形成等を通
じ、権利の集中管理の拡大や標準的な契
約ルールの確立を促進する。
(内閣官房、総務省、文部科学省、経済産業
省)
ⅱ)放送コンテンツに係る取引を促進する
ため、放送番組の出演者に係る権利処理
の円滑化や不明権利者の探索等の効率化
に取り組む実演家団体による組織の活動
状況を把握し、その円滑な取組を支援す
る。
(総務省、文部科学省)
ⅲ)著作権法の裁定制度の改正を踏まえ、
所在不明の権利者がいる場合におけるコ
ンテンツの二次利用を円滑に進めるため
の制度等について検討を行い、2009
年度中に結論を得る。
(文部科学省)
ⅳ)放送コンテンツ等のデジタルコンテン
ツの権利処理の進捗状況等を踏まえ、流
通促進について多角的観点から適宜法的
対応の検討を行う。
(内閣官房、総務省、文部科学省)


ルールの確立を促進する、とか、検討を行う、とか、が多いけど、今までの推進計画実行の実績から言って、必ずや大きな進展が得られるはず! 今年度に続いて、この3年間(第3期知的財産戦略の基本方針の期間)の内には、かなり変わっていくはず。と思われます。

総選挙があっても、この問題はしっかりと審議して下さい。

仮に自民党じゃない政権になっても、「知的財産基本法」に基づく知的財産戦略本部が取り組んでいるので、基本的に変わらないはず、らしいです。

日本の政治のしくみって、よくできているのね。

0 件のコメント:

サイト内検索は右側のボタンをチェックして検索ボタンを押して下さい