月曜日, 10月 29, 2007

特許は会社のもの、だけど。(女性エンジニア生活)

病気休職する以前に書いていた特許の後処理が、わらわらとやって来ています。

特許を書くと、そのつど、この特許の権利を会社に譲渡する、という誓約書を書きます。発明者は従業員でも、出願者は会社です。

それは寂しいようでも、良い所もあります。書いた後の出願処理は大変なのですが、それは会社が面倒見てくれるのです。

下の子を産んで育児休職を取った後、復帰したら、産休前に出していた特許の国内出願、外国出願が私が居ない間に進んでいて、まるで『もう1人の子供』がちゃんと育ってくれていたような気がして、嬉しかったものです。

今回の3年ほどの休職中にも、それまでに出していた特許の面倒は、事務処理は特許部がやってくれて、技術面は上司や同僚が見てくれていました。私のところには時々、登録の報奨金が(本人は何もしないのに)振り込まれていました。額はちょこっとですが、何だか、ラッキーでした。

不出(出願見合わせ)になるものもあります。出願しても、何度も審査のやりとりをして、登録までには何年もかかる事が多いです。拒絶になるものもあります。大抵、似た様なものを既に誰かが出していて、権利になるかどうか審査されるのです。

半期に一件以上のペースで書きます。だから、審査処理中の案件はどんどん増えます。これが、この職場からもう降りたいという理由の一つでもあります。普段の仕事以外に、以前出した特許の面倒を見るだけですっごく忙しくなるのです。すごく時間を取るのに、通常業務の課題に含まれない雑用みたいな位置づけなんです。とっても、やってられない。

もう、この開発競争から降りようと思っているので、今後自分で特許を書くことはないかもしれません。でも、今までに書いた特許の処理が、復帰2ヶ月ともなると、やってくるようになりました。

上司や同僚にやってもらっていたけど、『権利化は厳しい』という時のぎりぎりの粘りはやはり書いた本人ほどのものは期待できないようです。当たり前かも。

息子が生まれた時の記念の(?)特許の米国出願も、実は未だに審査が続いています。ここまで時間がかかるのはいい特許じゃないという事なのだけど。それを含め、その後のいくつかのもっと大事な特許が、私の手に戻ってきました。やっぱり、『よそ』へ行こうかとしているとしても、私が面倒見るのかな。会社のものなのに。

私の手に戻せたという点では、この職場に一旦は戻った価値があったかもしれません。何だかやっぱり嬉しいです。

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