金曜日, 9月 10, 2010

普通の日常とは

先日会社で産業医の先生との面談がありました。癌の後遺症で短時間勤務にしてもらうために、3ヶ月おきに面談してもらいます。

最近は私が産業医の先生のカウンセリングをするみたいになってます。私の方が入社して20年以上たっていて、産業医さんの方が入社4年目で、若いんです。

産業医の先生は具合の悪い人とばかり面談をするので、会社の色々な矛盾を見聞きすることが多いようなんです。

産業医の先生と話していて分かったのは、うちのような大会社の勤務状況も、普通に人間的に言って、ちっとも普通じゃないらしい、ということ。要するに言われるとおりにやっていたら、相当働きすぎになります。

ILOというものがあって、国際的には、最低2週間の連続した休みを取れるということが保障されていないといけないらしいです。でも、日本はその条約をまだ批准していないんだって。
(リンク→有給休暇条約(ILO第132号条約)

日本の労働条件は国際法的には違法状態、ってこと??

そんなに休みをとっていたら経済状況がますます悪くなる、と思うかもしれませんが、長く働けばより儲かるというわけでもありません。時間と経費の浪費かもしれません。

休み以外にも矛盾がいっぱいです。不合理な働き方も多いようです。不合理でも、「長いものに巻かれる」ことが必要らしいです。

私が直接経験しているものでも、実現不可能な製品の性能であっても、できませんと言わずに努力をし続けて絶対にデータを出さない、ということがあります。上の人が「Xパーセント性能アップ」と言い続けているとそうなるらしいです。時間と経費の浪費かもしれません。

産業医の先生によると、そういうケースは他にも多くあるようです。

また、従来のやり方より、従来考えられなかったような新しいやり方で遥かに楽に従来以上の性能が出ることがあります。でも、楽な新しいやり方を取り入れるのは難しいらしいです。従来のやり方の偉い人が困るし、そんな楽をしてはいけない、と思うらしい。時間と経費の浪費かもしれません。

と解説をしたら、産業医の先生が納得していました。

市営バスのバスカードがスイカになって、業務効率は上がったはずなのに、運賃は割引が減って実質値上げ、というのも、何か長いものに巻かれる必要があって無駄や不合理をやっているのかな。

通勤時間が一時間半もかかるのも、「それが普通だ」と言われたけど、本当は普通じゃないです。この「普通」はおかしいのよね。時間と経費の浪費かもしれません。

「普通」にしようとして一生懸命無理をして、病気になってしまうサラリーマンは、いっぱいいるのではないかなぁ。

朝の通勤電車に乗っている人たちはみんな、朝から疲れ果てたようにうなだれて寝ているよ。

それも、男性サラリーマンの話であって、さらにサラリーウーマンは家に帰っても土日までも家事、子育てです。普通にやれるわけがない。

だけど、癌になれば、男性も女性も、嫌な仕事は断れる! まぁ、職を失うという場合もありますけど。

職を失わずにすんだ癌経験者は、かえって他の人よりも仕事量の調整をするお墨付きをもらったようなもの。

自分の体調によって仕事を調整できる、というのは、普通のことのはずです。本来、健康な人もそうできるのが普通なはず。

「普通」ではなく、普通の普通を目指したいものです。今の「普通」は普通ではないので、癌になった人もそうでない人もご注意を。「普通」にしなくちゃって、頑張らない方がいいですよ。

ILOの条約批准してほしいです。管さん、小沢さん。

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