月曜日, 8月 24, 2009

がん患者と健康保険

葉っぱさんという方がおられまして、ご自分も口腔がんの経験をされ、色々調べられて、素晴らしく詳細なデータベースのサイトを運営しておられました。口腔がんの患者と家族のためのメーリングリストのEntoral(エントラル)*の運営をしておられました。亡くなったのですけど。海の事故でした。

その葉っぱさんと初めてお会いした時だったと思いますが、葉っぱさんが健康保険のことで、何か怒っておられたんです。

私は自分の口腔がんの治療後間もない頃で、健康保険については、「あれもこれも保険にならないのは困るな、もっと健康保険の適用を広げてほしい」と時々思っていました。だから、そういう話かな、と思って聞いていると、どうも違う。逆なんです。

なんとかという治療を健康保険適用にしてほしいという人がいるけれど、とんでもない甘えだ、そんなことまで保険で面倒をみていては制度が成り立つはずがない、っていう文脈だったようなんです。

私は葉っぱさんほど医療の知識がないので、何の治療がどうなのか、分からなかったのですが、そういう文脈で義憤にかられて一生懸命に話しておられる葉っぱさんのお話が、新鮮でした。

何もかも保険でお世話になっていたら、医療制度は成り立たないんですね。

外国で効果が確かめられていても日本で認可されていない治療は健康保険にならないものがあります。それでもそれを受けたかったら、健康保険外で受けたり外国に行って受けるしかないわけです。

鍼灸や漢方薬が効果があることが経験的に分かっていても、健康保険が効かないことは多いです。

癌患者は癌があったら病人なので、健康保険で治療を受けますが、治療で癌がなくなったら、病後ではあっても病人ではないので、もう健康保険の適応にはならないのです。いつ再発するか分からないにしても。

健康保険なら3割で受けられると言っても、残りの7割は保険で支払われているわけですから、タダなわけではありません。保険料を払っている方々のお世話になっているわけです。

健康保険で治療してもらった後は、養生してできるだけ元気になり、今度は保険料を払って、今治療が必要な人のための治療費にしなければなりません。そういう風にしないとみんながどんどん大変になります。

という風に葉っぱさんが考えられたのかどうかは、分からないのですが、あの素人離れした詳細なデータベースも、葉っぱさんなりの何かの理由に裏づけられたものだったのかもしれません。みんながあんなに詳しく勉強することはできないと思うけれど。それぞれに努力しようよ、っていうメッセージだったのかなぁ。

エントラルは今も活動を続けています。口腔癌の患者さんやご家族の方で情報交換なさりたい方は、サイトを覗いてみて下さい。登録の仕方が載っています。

2 件のコメント:

奈津子 さんのコメント...

葉っぱさん…
お目にかかったことはなかったけれど、こうしてゴルぴょんさんとの縁が出来たのも、拙ブログに葉っぱさんが来て、TB(する、って言うのか、つける、か?)したことがきっかけでした。

種をまいた人だったんだね。
飛んできた種があちこちでこんなふうに繋がっているのでしょうね。

オルゴールぴょん さんのコメント...

奈津子さん、こんばんは。

そうそう、そうだったっけ。思い出しました。

あの時は、葉っぱさんはリレーフォーライフに一生懸命になっていて、それについて癌関連の人たちに情報を広めようとしていらしたのよね。あれも、使命感でやっておられたのかもしれません。葉っぱさんはリレーフォーライフの母とも呼ばれていると聞いたことがあります。

私はリレーフォーライフについての私の感覚が奈津子さんと近いなと思って、それからちょくちょくLinnengyozaにおじゃまするようになったんでした。私はリレーフォーライフには参加しなかったんでした。

葉っぱさんがまいたリレーフォーライフの種はものすごく大きくなったようですね。

葉っぱさんの素晴らしいデータベースは今、閉じられてしまって、アクセスできなくなっています。ご家族に問い合わせたいけど、メーリングリストのメンバーには、葉っぱさんのリアルな連絡先を知ってる人がいないのよ。私もメールで連絡するだけだったから、ご本人が亡くなってしまうと、ご家族に連絡がとれないんです。

ご存知の方がいないか、ちょっと問いかけてみようかな。

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