月曜日, 1月 31, 2011

エネルギー、エントロピー

医療関連で『エネルギー』って言葉は象徴的に使われることがあるのでしょうが、『エントロピー』も使われることがあるらしい。

両方とも物理用語ですが、物理としては何ら曖昧さのない概念なんだけど、ある冊子に載っていたのですが、医療とかで使うのは危うい感じがします。

『エネルギー』ってのは、活力とか気力の意味で使われることがあるけれど、それらは式では表せないから、本来のエネルギーとは別ものです。でも、この意味での『エネルギー』はまだ、比喩的な意味として分かりやすい。

でも、『エントロピー』は、医療関連で使ったら、部分的にはそれらしくても、意味不明だったり、間違えて使いがちで、危ないのではないかなぁ。

シュレーディンガーが人間はエントロピーを排泄などによって下げている、と言ったそうです。それは正しいと思うし、西洋医学的にもそうなっているはずです。違うのかなぁ。違わないでしょう。

こういう所で間違えると、とたんに信用を失ったりします。

サイモントン先生は、エントロピーは言ったことがない、と思います。私の知る限りでの著書と、講演との範囲で、ですが。

『カオス』はサイモントン先生が言及されたことがありますが、象徴的な意味として『カオス』は『エネルギー』と同じくらいには分かりやすいと思いますが。

全然関係ないですが、あるお医者さんが癌治療に関連して本を書いておられて、現代科学の限界のようなことを書かれて、その後、気功とかヨガとかの効果について書かれていました。後半はとても参考になったのだけれど、前半で量子力学がまちがっているとか書かれていて、それが、まちがっているの。

量子力学は解釈は難しいところがありますが間違っていませんので、せっかく後半でためになることが沢山書かれているのに、残念な本になってしまっています。

説明のつかないところは説明のつかないままに、事実をふまえて行けばいい、と思います。量子力学の黎明期にニールス・ボーアが使った『対応原理』っていうのがあります。とにかく実験結果を尊重していく、という姿勢が古典力学では説明のできない新しい量子力学を生み出しました。

西洋医学で説明できなくても、効果があるものは効果があるという事実がある、っていう『対応原理』によって、心が健康に及ぼす影響についての新しい体系が生み出されていくのではないかしら。

結局言いたいのは、エネルギーもエントロピーも、物理用語であって、伝統的な西洋医学にも、そうでない療法や医学にも、象徴的な意味で対応させるなら同じものが対応するだけでしょう。活力、だとか、排泄物、だとか。
西洋医学とそれ以外との違いにこれらの用語を持ち込むのは危うくて、多くの物理屋はそうだと思うけど、間違えていると拒否反応を感じてしまいます。

何か西洋医学の足りない点を指摘した上でないと進んではいけない、っていう生真面目な姿勢があるのかと思いますが、とにかく効果があるのだから、それを推し進めるのがよいと思います。

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