今日は本屋さんで立ち読みをしていました。
そしたら、色々な病気と性格の関係を調べた本がありました。ちゃんとしたお医者さんが書いたと思われる本で、疫学的に統計をとったものとして書かれていました。
その本によると、心臓病や肝臓病とか、他の病気は性格と関係があり、心の持ち方を前向きにすると病気がよくなるけれども、癌だけは、性格と関係がなく、心の持ち方を前向きにしたら病気がよくなるということがない、と書かれていました。
その理由として、がん細胞は何年もかけて大きくなり、ある程度大きくなった後は急に大きくなり、必ず死にいたる、と書かれていました。だから心の持ち方を明るくしても、それによって病気がよくなるということはないそうです。
さらに、この調査結果を得て安心した、心の持ち方によって癌がよくなるという考え方によって、かえって自分の心の持ち方が悪いために病気がよくならないと考えて、ただでさえ苦しんでいるがん患者をさらに苦しませることになっていると思っていたから、と書かれていました。
日本のお医者さんによる、日本の患者さんについての、疫学的な調査結果、という内容でした。
私の感想としては、この結果は間違っている可能性が高いです。
他の病気と違って癌だけが特別なのはなぜなのか、説明がありません。
また、この調査を行ったお医者さんの先生ご自身が、非常に癌を怖がっていらっしゃって、癌はいったん生じたら必ず成長し続けると信じておられますが、これは事実ではありません。縮小、消失した例はいくつもあるようですが、無視されています。
また、心の持ち方が癌の病状に影響を与えるという考えががん患者を苦しめている、という先入観のもとで調査を行っておられるので、その考え自体が調査対象のがん患者さんたちの心の持ち方に影響を与えている可能性が強いです。
これこれの結果が出てほしい、という願望が強いと、測定結果が影響を受けることがあります。科学技術でもよくあるのです。
願望を実現する方向に近い測定結果を選んでしまいがちで、いったんその測定結果を得ると、追試をしてもまた同じように選んでしまう、ということが現実にあります。その場合、願望を持っていない別の人が追試をしたら、違う結果になります。
疫学調査は統計調査なので、また、心の持ち方という内容は曖昧になりがちなので、先入観によるバイアスの疑いはさらに高くなります。
でも日本では、癌患者は必ずいずれ死ぬ、心の持ち方で経過が変わるという考え方はかえって癌患者を苦しめる、といった考え方をするお医者さんが多いのかもしれません。だからそういった調査結果が何度も出ているのかもしれません。
だけど、心の持ち方で経過が変わったという経験をしてみると、疫学調査結果なんて関係がないですね。
私の場合は、放射線・抗がん剤・手術で、取ってしまった後、癌が出てきていないだけなので、心の持ち方で治ったというわけではなく、治った後の再発などがない、というだけですが。
但し再発の可能性は高いとは言われたので、出てきていないのには自分の心の持ち方や生活のし方は関係があると思っています。
ちゃんとした疫学調査だとして本に載っていると、多くの人が信じてしまうでしょう。でも間違っているでしょうね。
2 件のコメント:
私もゴルぴょんさんと同じ意見ですね。
でも、最初にがんになったのは性格とか生活に問題があったとは考えない。
ストレスと無関係に生きるのは無理だし、働き盛りの人は皆無理もしている。なぜがんが出来たのかはわからないから放置。
で、がんになった後はなんていうか、一皮剥けないと変われないでしょ?無理をしちゃいけないという大義名分も得たわけだし。
無事に生きてることに喜びも感じるし、そういうのが肉体に影響及ぼさないとは思えないよねー
奈津子さん、こんばんは。
無理をしちゃいけないという大義名分を活用して、命の喜びを感じて、ていう実感があるのは、素晴らしいね~。さすが奈津子先生です。
老化からは逃れられないし、どんな生活や性格であっても、みんないずれは何かの病気とかになりますよね。
このお医者さんは心の持ち方が病気の経過に影響を与えているという調査結果を癌以外について得ておられて、心は大事だ、ってことを確かめられたわけです。
癌が例外になっちゃったのは癌だけについて、この先生が特別な思いを持っておられたからだと思うので、この結果は割り引いて読んでいいと思うんですよ。
つまり、心は大事だ、ってことが医学的にも確かめられつつあるということですね。
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