木曜日, 5月 20, 2010

頑張るばかりがいいわけじゃない(エンジニアのお仕事)

今日はですね、私がエンジニアとして研究開発して会社生活しながら得た知見の極意を書きます。どこの会社でも通用するだろうと思います。頑張るばかりがいいわけじゃない、という話です。

頑張って残業をいっぱいやっても、実は旧来のやりかたで無益に予算を費やしているだけかもしれない、ということを銀行にからめて昨日書きましたが、私は研究開発でしばしばそういうことを経験してきました。

現代は技術の進歩が早いので、最善のやり方は、刻一刻と変化しているのです。

産業革命が起きた時、古いやり方の労働者達は、そんなに効率が良くなっては自分達の仕事がなくなる、と言って、使用者が技術を導入するのに反対したそうです。が、実際には、新技術は導入され、効率が上がることによって生活レベルは改善されていきました。古いやり方は通用しなくなりました。

現代も同じことが起こっています。技術の公式みたいなものです。古いやり方は、変えて行かねば進歩するということができないので、変えて進歩できた会社が生き残っていきます。

テレビでも冷蔵庫でも電車でも何でも同じだと思いますが、何かを良くしようと思ったら、大抵、部品や工程が増えます。すると、サイズが大きくなり、材料の種類や量が増え、工数が増え、製造に時間がかかります。でも、性能が良くなっても、大きくなったり価格が高くなったりしては、売れません。

性能を良くしたら次に、同じ性能をより少ない部品で、よりシンプルな工程で、より小さく、より安く実現するようにしなければなりません。それは、最初に用いた技術の発想とは別の次元や別の地平の所からの発想で可能になります。

そんなものを使うの?、考えもしなかった、というものが、やがて新しい常識になります。改良された上に安くて小さいものが市場で生き残っていきます。

でも、新しいやり方は、なかなか現場では受け入れられないんです。大抵の人は、古いやり方で頑張ろうと思ってしまうんです。新しいやり方を取り入れるのは大変だし、とりあえず、古いやり方ならば時間をかければできてしまうから。

今は物余りの時代なので、頑張ってたくさんやっても、同じような物はよそでも作っているし、外国ではさらに安く作っていたりします。古いやり方で頑張って勝算があるでしょうか。

新しいやり方で頑張ればいいのでしょうけれど。それって、「頑張る」のとちょっと違うかもしれない、という気がします。

本当に勝算があるなら頑張ればいいと思いますが、別の発想ではるかに少ない努力で同じ事ができてしまう可能性があります。

実際にそういう変化の連続だったから、昔は部屋一つほどもの大きさがあった高価なコンピューターと同等のものが、今は手のひらに乗る携帯電話になっているのです。

頑張るばかりがいいわけではないので、サラリーマンは早く家に帰りましょう。子供と晩ご飯を食べて、発想をリフレッシュして、昨日よりもどう変えていくのが良いかを考えましょう。

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