土曜日の講演会は「笑うカイチュウ」の著者;藤田紘一郎先生の、丸山ワクチンについてのお話でした。
この本は大分前に読みましたが、印象的です。回虫など、寄生虫がいる人の方がアレルギー疾患にはならない、寄生虫は人間にいいことをしている、というびっくりな内容です。
その先生が癌や丸山ワクチンに繋がってくるなんて、面白すぎるでしょ。是非じかにこの先生にお会いしたくなり、出かけていきました。
ものすごく学術的にハイレベルな内容なのに、終始笑いがいっぱいのお話でした。免疫学がご専門で、画期的な業績内容でありながら、学会では長期にわたって評価されずに冷遇されたと言ってもよいくらいの扱いだったようです。その中でかえって笑いいっぱいの沢山の著書や、藤田先生らしい生き方を育んで来られたようです。
ざっくりレポートすると、要は寄生虫は免疫のTh2を高めてアレルギーを治し、丸山ワクチンはTh1を高めて癌を治すらしいです。但し、Th1とTh2はその大きさだけでなく、比が大事なのです。ひょっとしたら1と2は入れ替わって覚えているかもしれません。間違えてたらゴメンナサイ。
藤田先生は寄生虫から、アレルギーを治す成分を特定する事に成功し、薬を作って、アレルギーで毛が抜けたねずみに与えたところ、一回で治ってしまったとのこと。アレルギーを治す薬を作るのに成功したわけで、ノーベル賞がもらえるかと思ったそうです。私も思いましたよ。
ところが、ダメだったそうです。この薬を与えるとアレルギーは治るものの、癌になりやすくなってしまうのです。
特定の成分に分離したものを与えたため、Th1は小さくなったものの、逆にTh2が大きくなりすぎ、バランスが崩れて癌になってしまうのです。
寄生虫が人間の体の中に住んでいる場合、寄生虫の糞には2万種類の成分が含まれているそうです。その全体が作用した場合にはアレルギーも治り癌にもならないとのこと。寄生虫が人間と共生して、人間に役立っているわけです。
丸山ワクチンは結核菌のすりつぶしだそうで、どの成分が癌に効くのかは同定されていないそうです。だから学会では認められていないとのこと。しかし、どの成分というのではなく効いている事が実は有効だそうです。Th1もTh2も、両方ともバランスよく上げているのです。
これらの結果は、西洋医学ではバランスが問題となるアレルギーや癌に対してはダメだということを示しているそうです。どの成分が効く、という発想では治せないのです。
講演会の後には懇親会があり、ちゃっかり、並んで写真を撮って戴いちゃいました。にっこりピースサインして下さいました。もう、藤田先生の大ファンになりました。
癌患者というと、丁寧にして下さっても可哀想がられているようで、今ひとつ居心地よくできないことがあるのです。でも藤田先生は、とっても暖かい優しさで接して下さる感じで、楽しく過ごしました。
寄生虫を持っている人がアレルギー疾患にならない、という事に真正面から着目できる、偏見のない正直で優しいお人柄と、それをとことん追求する強さが素晴らしいです。学会で冷遇されてもとことん突きつめ続ける姿勢は驚嘆すべきですが、それを笑いで支えておられるのも素晴らしい。
ノーベル賞の授賞基準も、考え直さなくてはいけないんではないでしょうか。
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