『魔王』ホームページに、協力プロデューサー渡辺良介さんのご挨拶があります。皆さんが、いかに真摯にドラマ『魔王』を作ってこられたかが分かります。読まれた方々、皆さん感動しています。感動的な内容です。
でも。山野は?
このドラマの制作グループの、チーム魔王も解散してしまったそうです。ここから、もう次へと歩いていってしまったようです。
真中友雄と芹沢直人の『11年前で止まっていた時計』も、動きだしました。仲良く蝶になって舞っていました。
でも。英雄と山野の時計は?
最終話の第11話の山野を見ていて娘が言いました。「こいつ、うざい。」
嫌われ者の山野の役の清水優(しみずゆたか)さん、すごい好演だったと思います。うざい感じが、すごくよく出ていました。
いじめが元でこの一連の事件が起きたというストーリーに、現実感をもたせてくれました。
友雄は結局英雄の名誉を回復しようともしなかった、と昨日書いた後、そうか、友雄は自分自身を救うこともできなかったのに、山野を救えたわけがなかったのだ、と、思い直しました。
実際、真実がねじ曲げられないと示すことなんかより、きっと、自分の寂しさ、悲しさを晴らしたかった。失うものが何もない暮らしをもう終わりにしたいと思うほどに。成瀬領=真中友雄は、かっこいい魔王なんかではなかった。ぐだぐだの人間でした。山野といっしょです。
もう、やめるんだ、と山野に言っていたけれど、友雄は芹沢父子から何度も謝られています。だから言えるけれど、一度もそんな経験がない山野には、復讐をやめることができない。山野も、友雄と一緒なんだと思いました。
似たもの同士で復讐をやってきて、友雄だけは、葛西を許し、直人と仲直りしちゃいました。死んでからだけど。友雄にはそれが、精一杯だったんですね。それだけできただけ、良かったんです。
山野は成瀬に刃を向けましたが、あれは、日本版のオリジナルだったんですって。韓国版では、あの、熊田息子が成瀬を殺すらしいです。びっっっくりです。ニノ魔王の所で書いたような流れみたいです。
日本版は、韓国版以上に山野を地獄の底の底に落としてくれました。そういう意図で、なのかな。ニノのイメージを落としたくなかったのか?
どこまでも救いようのない、どこまでもどこまでも、救われない話。
どん底の、底の底の役って、なかなかできないものかもしれません。稀だし、演技力もいるし。
友雄と山野の大魔王コンビ、難しい役にリアリティのある熱演だったと思います。清水さんは大野くんほどに注目されていませんが。
どん底が分かる人には、より高みにある光も分かる。
あまりにリアルだったので、よかったね、と言えない重みを感じてしまうのだけれど、きっと良かったんですね。二人ともこの役ができて。役者さんとしてすごく貴重な財産を得られたのだと思います。
あとは観た側が考えないといけないのですね。
やっぱり友雄は山野を連れて行って欲しかったけれど、救われないように作っているドラマだからしょうがない。きっと、あの世で英雄に会えば、直人が山野に誤らねばならないと、教えてくれるはずでは。
うん、そう思うことにしようかな。
そろそろ私の時計も進めねば。
2 件のコメント:
こんにちわ
最近、ちょこちょこ読ませていただいていました、さとしっくと申します。
山野が救われてない、って話、私も同感でした。
私はあまり深く考えず、魔王が終わったときに 「山野」目線でのストーリーを作って欲しいな、と思ってました。
最後まで謎だった「山野」ってどんな人間で、何を考えて今まで生きてきたのか。
あのお話の中で、山野だけが重要人物なのにほとんどかかれてなくて、彼の言い分を聞きたいって単純に思ったのです。
だから、オルゴールぴょん さまのコメントを読んでうんうん、とうなずいていました。
長々と失礼しました。
また、お邪魔しますね!
アジア、残念でしたね。
私は娘と娘のお友達親娘と申し込もうか!と盛り上がっていましたが
冷静に考えると、やはり中学生には高額すぎる、と考え直し申し込みは断念しました。
アジアツアーから帰ってきた彼らを迎えて、10周年、盛り上がりましょう!
さとしっく
さとしっくさん、コメントありがとうございます。
さとしっくさんも山野が気になっておられたのですね。うれしいです。「別の世界に幸せがある」っていう、最強の(反則かも)結論にたどりつきましたがどうでしょう?
謎はまだ多いのですが、観た人のそれぞれに色々考えさせてくれるドラマだと思います。
アジアツアー、実はまだ諦めてません。もうちょっと頑張ってみるつもり。
さとしっくさんも中学生の娘さんがおられるのですね。うちでは国立コンサートも、「中学生には贅沢」だし、都内なので帰りが遅くなりすぎるので、連れて行ってません。
ファン活動もお金がかかって、実は大人じゃなきゃ楽しめないものなんだなぁ、と思っています。
ではでは、またおいで下さいね。
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