癌で死ななかった人を、『癌サバイバー』と呼ぶらしいです。
サバイバーって、生き残り? これって、死ぬはずだったけれど死ななかった、という意味かしら。
そういう意味、感じちゃいます。それは、いやだ。
癌の告知=死の宣告、みたいに受け取られることもありますが、それは、もう、古い! だって、癌になってもその3分の1は癌では死なないのだから。サバイバーって言うには多すぎるじゃないですか。
私も生き残ってますが、まずは、つらい治療の最中にも、そういう、きっと死ぬはず、という刷り込みが、治療中の癌患者を苦しめます。これだけちゃんと治療しているのだから、きっと死なない、と、治療中の全員が思っていいはずです。でなきゃ、治療の意味がない。
お医者さんの立場では、「きっと良くなります」とは言えないのでしょう。うっかり言ったら医療訴訟になったりもしますから。
きっと悪くなる、と思わせておいた方が、安全?てわけではないのだろうけれど、お医者によっては、やたらと悲観的な方もあります。最悪の場合を想定しておいた方が、安全、安心、という考え方か。何人もが死ぬのを見てきたから、きっと死ぬだろうと思っている。或いは、教科書にそう書いてあるから、そうなるだろうと思っている。でも、今生きようとしている1人の患者を前に、そういう先入観を持つのは傲慢です。平均は平均。殆どの人は、そこからはずれているのだから。
治療中、患者は、最悪の場合を想定しちゃダメ。お医者さんとは立場が違う。死について考えることは必要だけれど、死ぬと思う必要はない。良くなるものまで良くならない。
だから、癌サバイバーという呼び方は、ある意味、害があると思う。過剰に怖がらせてしまいます。
癌患者は否応無しに、色々なことを考えるから、癌になったことのない人より、貴重な人生経験をします。だから、癌の後元気に暮らしている人を、癌サバイバーではなく、『癌経験者』と私は呼びたい。
樋口強さんが言うように、癌患者(癌になる日本人)は日本人全体の約2分の1、メジャーだけれど、癌で死ななかった元気な『癌経験者』も、実はかなり多い集団ではないでしょうか。日本人の6人に1人、30人中5人なら、そう珍しいわけではありません。実はありふれているのです。
「癌がうつる」ってことはないのに、癌の経験は隠されることも多いようです。今、目立たないのは、サバイバーなんて言われるのがイヤでひっそりしているのかもしれません、
2 件のコメント:
あ、賛成です。
サバイバーってなんじゃらほい、と常々思ってた。
こういうセンスの違いを感じて再認識するのは大切なことだよね~
でしょでしょ。奈津子さんは賛成してくれると思ってたよ。嬉しくない呼び方よね。
ではこの経験をコヤシにして、もっともっと楽しく生きましょう。
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