木曜日, 7月 24, 2008

魔王の恋は

嵐・大野智と、生田斗真のダブル主演「魔王」。第3回の前の大野君の『迷惑メール』に、魔王に恋心、って書いてありました。が、悩んでしまいました。どうも、分からなかったんです。結局、近づいてもハンカチ一枚だし。

図書館に芹沢(生田斗真)がしおりさんを送って来た時、成瀬(大野智)と会って、「石本を殺した者を絶対に許さない」と言われた後、成瀬は延々としおりさんへ思いを馳せていました。あの表情は、何だったんでしょう。

あれが、恋心?

あの場面で、どういう恋心?

私にはよく分からなくて、成瀬が自分の復讐にしおりさんをどう利用しようかと考えているみたいにも見えました。

しおりさんに触れて自分の罪を悔いるようになったようにも見えないし。しおりさんを幸せにしたいと思っている風にも見えないし。

成瀬は、『ファウスト』の一節を引いて「悪魔と契約を結んだ」と言いながら、教会と聖歌と、百合の花とマリア像と十字架が好きな、妙な魔王なんです

石本を(熊田弁護士じゃなかったですね、間違えました)殺した後、成瀬はマリア像の前で清々しく「百合の花言葉は聖母マリアの象徴」と語っていました。まるで、この殺人が聖母マリアの意にかなったことであると、考えているかのように。

どんな殺人も本来、神の名のもとに正当化されることは、ありません。

けれど、考えてみると、十字軍とか、あるわけですね。神の名のもとに正当化されたことも、あるのです。

これは、無敵です。そう考えている人を止める事は、大変です。それが正しいと信じてしまっているわけだから。

成瀬は、復讐はいけないと知っているから、そうせざるを得ない自分がある時、神の名を借りねば実行できない人なんでしょう。あの赤い部屋で11年間、積み重ねられ熟成されてしまった悲しみが、全てに勝る真実になってしまっているのです。

主題歌『Truth』。この『真実』って、どういう意味なんでしょう。正しいっていう意味じゃないような気がします。どうしても譲ることのできない、何に対しても優先する、絶対に否定できないこと、みたいな意味かな。

積み重なった悲しみがあるから、どうしても復讐せねばならなくて、それは神の意にもかなっているのです、成瀬さんにとっては。

第3話の教会シーン、成瀬はしおりさんに「悪魔は他の所に居る」と言いながら、十字架を見ていました。他の所、って、自分なのだけれど、成瀬にとっては自分が悪魔になっている事は神の意にかなってるのでしょう。

狂ってるね。

この、成瀬の恋心は。

しおりさんを幸せにする恋心ではなく、自分の悲しみを、理解して欲しいということでしょう。復讐も、是認して欲しいんでしょう。

そう思ってやっと、図書館前のあの表情が分かったような気がしました。

でも、タロットカードをしおりさんに送って、やってることは、しおりさんをも復讐劇に巻き込んでいくようなこと。しおりさんが言っていたように、結局、悪魔として復讐のためにしおりさんを操っているのと、同じです。

しおりさん、いくら成瀬が男前だからって、こういう男に近づいちゃダメなのに。

成瀬、しおりさんを道連れにせず、自分だけで地獄に落ちなくちゃダメ。

だけど、両親を亡くした者同士、「同じ匂いを感じて」惹かれあっているのね。

しおりさんとの因縁はまだ他にもあるのかもしれません。11年前の事件の第1発見者みたいだし。芹沢としおりさんの距離もぐっと近くなって、今後の展開はまだまだ謎です。  第4回も楽しみです。

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